習ってないからできない!・・アレ?

どんぐり1年目の、2年生が取り組んだ、1MXバッタのサイダー問題。

(2014年の記事より)***************
105円のサイダーを買うのに、81円しかない。差額を3人のお母さんから均等にもらう問題。

2年生は答えが二桁までの足し算と引き算しか習っていない。

今回は、105-81 の計算を、自分で工夫してださなければならない。
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一人の男の子が大声で言った。「この計算、100入ってるからできないよ!ならってないもん」
アンカラママが「そうかな?自分でやりかたを考えてみたら、できるかもよ」
男の子「できない!できない!ぜったいできない!」

ところが、周りのこどもたちが、みんないっしょうけんめい考え出している。

何人かは、筆算を書いてみて、じっと見ている。5-1は、4だ。これはわかる。つぎは、10-8・・?
もしかして、2 でいいのかな?

「せんせい!きて!」すぐに、何人もの手があがる。「ねえ、ねえ、これでいいの?」

幾人かは、マルをいくつも描いて、81からいくつ数えれば105になるか調べている。わかった!24だ!

最初から、105と81を、お金で描いた子供は、目で見てやり方を思いつく。

みんなが、「わかった!かんたん」と言うので、できないと言い張った子供も、口をへの字に曲げて、筆算を書いてみる。

あれ、ほんとうにできた・・

この、自分で工夫して解く経験。この感じ。これが、今後、この子達の人生に、どれだけ影響することか・・

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難しいケース

2年生男子で、進化が遅れている子がいる。

この子の場合、特殊なケースといえる。

両親の耳が不自由で、家では、家族3人が無言のテレビをずっと見ているらしい。

家での会話が皆無。

祖母が学校に来て、「孫は難しい環境で育っている。私にとっては、目に入れても痛くないくらい大事な孫だ。学校は特別に配慮して、この子に気をかけるべきだ。私は、できるだけ、夜、家に行くようにしているが、高校の校長だから、それも、限界がある」

もう、いい年をしているおばあちゃんが、仕事をやめて、面倒みてあげたらいいのに、と思うのだが・・。おばあちゃんは、エスキシェヒルのトップ校を歴任した、などと言い出し、聞いている方をげんなりさせた。

「私は、特別な教育を期待して、高い学費を払っている。2年間通わせたが、私の期待通りの成果は出せていない。あなたたちの頑張りが足りないのです。来年度は他の私学に転校させるかもしれませんよ。」

非難の矛先を向けられた、副教科の先生たちは、生返事をするしかない。

あとで聞くと、保護者が、周りの反対を押し切って、子供を、1年早く小学校にやっていた。幼稚部の先生が、「あのとき、はっきり反対したのよ、あとで子供が苦労するって。そら見てごらん、言うとおりになったじゃないの。校長だかなんだかしらないけどさ」

この子のクラスは、男性の先生がいつも大声を出すクラスで、シールドを貼っている子が何人かいる。この子はおとなしいので、つい見過ごされてしまう。



進化が遅れる子

週に1度のどんぐりで、クラス全員が進化するか、というと、もちろんそんなことはない。

今年度、アンカラママの授業に担任の先生がずっと入ってくださった2年C組。子供たちの進化が顕著。25人中、ほとんどが順調に進化しており、最初は、明らかに言葉とイメージがつながっていなかった8人ほどの子供も、一人、また一人とつながっていき、学年末に近い今、2人の子供が残った。

先生「この子たちはどうしたらいいのかしら。普段の授業でも、理解できないの。どうかして救ってあげたい」

アンカラママ「先生、私の率直な意見ですが、今の状況では無理です。(時間割を指して)みてください。今日も2時間英語の授業があります。(この学校では、小学部で週9時間英語の授業がある)母国語がわかってないのに、英語の授業を理解していると思いますか?」

先生「そういえば、理解できるわけがないわね・・ただ座っているだけだと思うわ・・ 」

アンカラママ「私たち国際結婚している家族でも、子供をバイリンガルにしようとして、両方とも中途半端になってしまい、失敗するケースがあるのです。母国語があやふやな状態で、外国語を入れようとするのは、子供によっては危険です。」

先生「なんてことかしら。みんなが、英語の勉強はいいことって言うから、疑問に思ったこともなかった」

アンカラママ「私がこの2人の親なら、すぐにこの学校を辞めさせて、公立に入れます。まずトルコ語をしっかりさせるまで、外国語から遠ざける必要がありますからね。でも、私たちそのこと保護者に言えないでしょ」

先生「・・・・」

アンカラママ「それでも、家にいる時間の過ごし方によって、ある程度改善できますから、保護者と話し合わなければなりません。それと、英語の宿題は免除してもらうとか、他の先生の理解も必要なんですよ。」

知ってたほうがいい図

http://president.jp/articles/-/22124?page=2

プレジデント オンラインから引用
img_14065f1e99859c570a8a78a2adb785dc31696.jpg

この図が、一般的な認識と改めて確認。知識、技能が基礎とされている。

他人にどんぐりを紹介するときも、空回りしないために、コレ知ってたほうがいい。

ゴンタクラス

1年A組。3年B組。ともに、男性の担任の先生で、学年のゴンタ生徒が集まっているクラス。

トルコでは、担任の先生の力量によって、子供の学力は違ってくる、との考えが根強く、評判の先生がいると、わざわざ越境したり、それが目当てで私学に入ったりする人も少なくない。私学なら、入学手続きのときに、先生を保護者の側から指名できる学校が多い。担任の先生は原則4年間持ち上がり。人気のある先生のクラスから、定員が埋まっていく。

さて、保護者と話しててわかったのだが、自分の子が活発な男子で、家でも手を焼いている場合、男性の先生のほうが良いだろう、との判断で、絶対数が少ない男性の先生のところに、ゴンタ生徒が集まってくる。

ゴンタ生徒は頭も手も足も良く動くから、すこしの隙で、席を離れてなにか始めたり、友達にいたずらしたり、先生の気を引こうと何かやらかしたり、まあいろいろやってくれる。25人中、そういう生徒が二桁に近いクラスで、週に40分の制限時間で、どんぐりをやる。

生徒たちがボスと見なす担任の先生がいないと、もう授業どころではない。
ところが、どんぐり以外の副教科でも、皆同じ状況なので、それぞれが「先生、私の授業にも入ってもらわないと、困りますよ。おたくの生徒たち、しつけがなってなくて、ちっともおとなしくなりゃしないんだから」先生は先生で、「オレだって人間だ。もうやってられん」

アンカラママの狙いは、別にある。

こういうクラスは、おりこうさんクラスより、ある意味面白いのだ。いろんな発想をやってくれるから。
だから、どんぐりで伸びる子がたくさんいる。
それに、こういうクラスでは、大量宿題を出せないので、宿題が女性の先生のクラスに比べて、多少少なくなる。

先生をなだめすかし、クラスの子達を褒め、先生にクラスに入ってくれるように頼む。「他の教科はともかく、私のところにはお願いします」実際、他の副教科で、思考力養成をしているところなんてありゃしない。

とにかく、文章が聞けてなかった。だから、描けなかった。それを、毎回根気よく、地道に指導するしかない。

ちょび髭の、学年主任も、ときどき支援に入っては、「子供と言うのは、こんなに聞いてないものなのだ。」これは何度言い聞かせても解決するものではない、結局こうするのが早道なのだ、と理解してくれた。

学年末に近づいた今、その成果がどんどん出ている。

最初の数ヶ月は、殴り描きばかりしていた低学年男子たちが、なんと丁寧に描いていることか。

皆が、「答えがわかった」でなく、「答えを見つけた!」と叫ぶ。

これが1年の差

5年選択どんぐり。学年末まであと3週間。人数は減って、1桁になっている。

今日、どんぐりっ子が、友達を一人連れてきた。普段は運動系の選択授業に行っているのだが、怪我で参加できないので、体験に来たのだ。

アンカラママは、1mxが10問印刷されてある紙を渡す。「どれかひとつ選んでやってみてね」

体験の子が選んだのは、くじらのプランクトン問題。

ところが、倍の絵図が描けなくて、固まっている。

どんぐりっ子が様子を見に来て、友達が簡単な問題がわからないのに驚いて、「ほら、こうやって普通に描けば、、」つい図を書き込んで教えてしまう。

体験の子は、どんぐりっ子たちのお絵描き帳を見て、圧倒されている。

3MX50、赤蛇くんと青蛇くん問題。いったいいくつ計算が連ねてあるのか。大人が書いたみたいな、複雑な図。なにこれ・・

横に座っている子のお絵描き帳。4mx66、ウルトラ時計問題。後ろの席、サブちゃんのサブレ問題。

5年選択どんぐりの作品は、ボードに貼られないので、他の生徒たちは何をやっているのか知らないのだった。

どんぐりっ子は、それまで特に意識していなかったのが、1年の間に、友達との間に、埋めがたい差ができているのを理解する。

お絵描き帳の最初のページを見せて、「ほら、私も最初はこんな簡単な問題から始めたのよ。」0mx問題、不器用な絵図。今から見たら、笑ってしまうほど簡単な問題を、ウンウン言って取り組んでいたのだった。でも、友達は、その簡単な問題が、できないのだ。1年前の自分と同じなのだ。

「これなんかあなたも知ってたら役に立つと思うな。」単位換算表を見せたりするが、お友達は言葉もない。
この子は最初は、単位換算が苦手で、cmとmmの換算も間違うような子だった。




授業のやり方に文句を言う1年生

用事があって、1年生の教室に入ると、子供たちがぶつぶつ文句を言いながら塗り絵をしていた。

「もう、やだよ!ぬってばかり、もうあきたよ!ぬりたくない!」
「やりたくない!(ページを最後まで繰って)まだこんなにあるよ・・・」

学年末が近づくと、大量に買わせたワークブックを消化させるために、先生がハイスピードで作業させる。

英語の1年生のワークブックは、非英語圏用に作られているので、単語と塗り絵ばかり。

線の太い、単純な、抽象的な絵柄で、塗っても大して美しくもならず、塗り甲斐がない。

どんぐりの授業では、別に指示しなくても色を塗る。自分の絵だから塗り絵と思っていないのだろう。

夜、子供にその話をすると、

「その年で、そんなことを考えるなんてすごいな。オレも、幼稚園のときとか、塗り絵ばっかりさせられてたけど、そのことを疑問に思ってなかったもんな。幼稚園はそういうところだと思ってたから」

どんぐりっ子、算数オリンピックファイナルに

アンカラママの前の学校で、幼稚部から3年生前半までどんぐりをやったクラスは、今4年生が終わろうとしている。トルコでは、小学部終了、秋からは中学部だ。

生徒の一人、(お母さんは、まだ幼稚園児だった娘を遺して乳がんで亡くなった。アンカラママとも仲が良かった)トルコの算数オリンピック4年生の部で、予選のトップ5%に入り、来週ファイナルに行くとのこと。

アイドン県に新しくできたTALASという数学センターなのだが、サイトの冒頭に「物語のように具象化して解く」と書いてあって、お、これは・・と思ってみてみたら、標榜しているのはシンガポール算数とインド式速算術だった。予選で出題されている問題と、解法のビデオを見たら、60分で小問25題、なんの面白みもない旧態依然とした問題。解法も、見るべきものがない。残念ながら、作問できるスタッフがいないらしい。

彼女のお父さんは、しゃかりきになって子供を鍛える人ではないので、彼女が算数マニアになって勝手に成長したのだろうが、彼女以外の参加者は、対策問題集を買って、パターン対策しただろうと思われる。

担任の先生が言うには、彼女は他人の気持ちも汲める、素晴らしい人格に育っているとのこと。

さて、前の学校のSNSを時々見るが、トルコの私学の生徒が主に参加する全国実力テストに、時々一位になった生徒が載っている。これは事前に対策問題を購入して、クラスで対策をすれば、参加者の順位は上がる。

「私のクラスでは対策しないからね、うちの子たちは一位にはならないわよ。保護者懇談会でも言ってあるの、私のクラスは対策しませんから、期待しないでくださいって。子供たちにも言ってあるの、実力で参加しなさいって。でもね、本当は、一位になれる実力の子が、4、5人もいるのよ。小学校最後の、実力テストでは、ちょっとサプライズがあるかもね、ウフフ」

なんせこのクラス、3年生になる頃には、天気の悪い日は、子供たちが家から持ってきた算数の問題を休み時間にボードに書いて、嬉々としてみんなで解いてたからなあ・・・(むろん、先生がいないとき。遊び)

雑感

大学で講座やることになったよ、と実家にメールすると、「大学の非常勤講師?になったんか、すごいね!」と返信が来た。

相手が大学生だから大学の場所を使わせてもらうだけで、講師だとか時間割に入るとかではないのだが、老親が喜んでいるのだから、敢えて訂正するまでもあるまい。

今年度、5歳児から、大学院生、社会人まで500人を超える生徒さんに教えている身としては、相手の年齢による仕事の難しさは、あまり変わらない。

5歳児にどんぐりを教えるのが簡単か、と言えば、そんなことはない。先週も、自分の子が優秀だと思って、しゃかりきになっている親御さんの子供は、どんぐり中に、正解に拘って、ヒスを起こしてお絵描き帳を床にたたきつけた。

生徒さんが新しい考えを受け入れる、試してみる柔軟性を持っているかどうかで、こちらのラクさは変わる。それは、年齢とは関係がない。

授業中に携帯を見ている学生さん。注意するのか、自分の感情を伝えるのか、出て行かせるのか、もしくは自分の授業態度を反省するのか。

子供に対しては、愛情を示し続けることで、たいてい半年後には懐いてくれる。しかし、相手が大人の場合、こちらが指導者として高潔な人格を演技するとか、そういうのは無駄なので、私は数学のセンスもないし、教えるスキルもありませんが、メソッドは伝えますので、せいぜい受け取って頂戴、一緒にいい未来を作りましょうよ、というスタンスだ。

先生に教えるのは、その後どんぐりの授業をやってもらえるのだから、もっと重要か、というと、それもない。子供だって、将来先生になるかもしれないし、親になったときには、どんぐり的子育てをやってくれるかもしれないし、影響力、という観点では、まったくの未知だ。

大収穫

アナドル大学教育学部で、学生さんたち相手にどんぐりを2時間語ってきた。

今後の、10時間ワークの参加希望者、45人。

近日中に、トルコでどんぐり先生が45人誕生する。

別途、各自、どんぐり200問解いてもらうことになっているから、アンカラママは9000問添削するんだけどね。

大半が大学4年生で、あと一月で卒業して、ばらばらに帰郷してしまうので、アンカラママが空いている金曜午後を使って、超スピードでやることになった。しかし、学生さんは国家試験を控えているため、どんぐりの授業だけ受けて、200問は夏休みにやってもらうことになる。

大学の先生が言うには、今日参加した学生さんたちの大半が、村の小学校に赴任することになるらしい。だから、ぜひともどんぐりを学んでほしかったと。

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真剣に宿題体験する 

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「ああ~わたし、絶対この宿題出さない!」

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設備がほとんどない村の小学校で、大奮闘する決意の学生さんたち
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プロフィール

アンカラママ

Author:アンカラママ
トルコ エスキシェヒル在住

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