ある教師の思い出

普段は体罰などしない、初老の、気のいい現代社会の高校教師だった。

修学旅行で酒を飲み、酔っ払って女生徒の腹を蹴った、というので新聞沙汰になり、即座に飛ばされた。

飛んでいってほしい体罰教師は、他に山ほどいたので、「惜しいな」というのが当時の感想だった。

わずか、3ヶ月ほどの授業だったのだが、たった一つ、授業中の雑談を覚えている。

それ以外は全部忘れてしまった。

「きのう、うちの子供が宇宙戦艦ヤマト、という番組を見ていたんですがね。登場人物のモデルが、よく分かって面白かったですね。ガミラス帝国のデスラーというのは、ナチスのヒットラーがモデルですね。それから、ボラー連邦、というのが出てきてましたが、あれはソビエト連邦をモデルにしているんですね」

黒板にいちいち書きながら、嬉々として話すのである。

アンカラママは、小学生からのヤマトファンだったから、笑いを隠すのに苦労した。

いや、見所はそんなところじゃないのだが、大人はそういうとこを面白いと思うのか。

ボラー連邦が出るときのBGMは、スラブ音楽みたいなの。ちなみに、ヤマトの音楽集のLPはほとんど持っていた。

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今、幼稚部から4年までどんぐりの授業をしているが、子供たちが大人になるころ、アンカラママの授業は覚えててもらえるだろうか。

しょうもないギャグしか記憶に残らないのではないだろうか。

----ぼくが小学生のときにね。日本人の先生がいて、いつも面白い算数の授業をしてくれたんだよ。

もう、ほとんど忘れちゃったけどね。亀の問題、ってのは覚えてるなあ。

中華料理店の亀が逃げ出して、電線に登る話でね。

怖そうな客がね、前から何番目の亀と、後ろから何番目の亀、ああそうだ、その間にいる亀を食べるって言ったら、亀がぽろぽろ涙を流して悲しむんだ。それで、店の人が、はしごに登って亀をつかまえに行ったら、感電して死ぬって話なんだ。その先生も、亀のスープを飲んだらしいって、僕は家族に言いまくってたなあ。-------
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めだかのめがね問題

今週は幼稚部から1年生はめだかのめがねの問題をしていた。ひとつのモノが3つに見えるめがね。

アンカラママは視力矯正用のメガネを使ったことがないので、この問題を読んでも、ただのファンタジーと思っていた。というか、何も浮かばなかった。

でも、子供たちは、違った。

幼稚部に、メガネをかけている女の子が一人いるのだが、

「わたしはね、メガネをはずすと、ものが3つに見えるのよ」

小1の男の子

「そのメガネ、目に合ってないんだ」

この子は、家におじいちゃんのメガネがあって、ためしにかけてみたのかもしれない。

そうしたら、視界が歪んでボヤー

そういえば、アンカラママも、昔、子供の頃、父親のメガネをときどきかけては、「ボヤー」をやっていたっけ。

で、こういう感想は、2年、3年、4年の子たちからなかなか出ないわけ。もう、算数の文章題、として最初から捉えてしまっていて、なかなか余裕がないのね。

1年生は3クラスあるけど、「そのメガネ、目に合ってないんだ」の感想が出たクラスは、そのあとの文も、理解できる。

年長さん問題は、かなり唐突な設定が多いが、「なんでやろ。何が起こったんやろ」って考える子は、自分で理由付けをし、絵にもそれが現れている。それができる子は、その後の文の相関関係も正確に理解していることが多い。

どうしてお手紙が逃げ出したのか?風で飛んでいったから。泥棒が盗んで行ったから。お手紙に足をつけた絵くらいしか描けないアンカラママは、いつも感嘆する。

子供に友達を確保するためとはいえ・・

子供たちは、日曜は午前中にサッカーの練習試合があったが、午後は暇だった。

上の子の望みで、クラスのお友達を家に呼んだのだが、週末の宿題が終わっていないという。

上の子が、一緒に宿題しよう、というと、イランートルコ人ハーフのSくんがやってきた。

(自分で宿題をしていないくせに、他人に「一緒に宿題しよう!」と誘うとは・・・これいかに)

上の子「みんなで分担したら、早く終わるよ♪」

残っているのは数学問題集14ページ。うちではマシーンが木曜日に終了させていたのだが、上の子が問題集は学校に置いてきたので、丸写しもできない。幸い、Zちゃんが去年、同じ問題集を使っていたのを譲ってもらったのがあるので、いくらか写すことができる。

Sくんに確認すると、Sくんの親は、電卓を使うことは許可しているらしい。

分担 上の子 計算問題を電卓で片付ける
   Sくん アンカラママが選んだ文章題6問
   アンカラママ 残りの文章題50問(Zちゃんの問題集から写す。答えは四択)

久しぶりに、6年生の子の勉強を見てあげることになった。

上の子の話では、Sくんは、数学のテストでは、50点程度らしい。家では、お父さんが勉強をみているそう。(時には体罰を与えながら)

学校では先月が分数で、今月は小数をやっていて、分数と小数を換算する問題が多い。どこまで理解しているか、探りを入れながら、文章題を選んでみる。

分数の意味、いくつに分けたいくつ分、の理解しかない。イメージが使えれば、これだけでもかなり解けるのだが。

小数を分数に換算できない。

小数の割り算を使う文章題は、できない。

筆算して、あまりが出て解らなくなり、筆算も全部消しゴムで消そうとする。

分数の割り算、分子と分母をひっくり返す途中式を書かないから、答えが大きい数字になってしまって、約分できない。分母と分子が偶数でも、ピンとこない。

先生は、途中式なんて見てくれないから。


アンカラママが見ている前でも、ものすごい速さで、判読不能の字を書くSくん。「ゆっくり!」「丁寧に!」を連発するアンカラママ。

大量宿題をひとりでやろうとすると、ほとんどこうなってしまう。しょうがない、ひとつひとつ丁寧にやっていたら、大人でも何時間もかかるのだから。

一度のサポートは、せいぜい1時間半だから、(それ以上やっても頭に入らない)切り上げて二人を遊びに行かせた。

トルコでは、家にお友達を呼んだら、マシーンもセットか・・・(汗)向こうの親が、こちらがしたことに対し、どう思うかもわからない。

この子の場合、思考力が2年生程度で、算数の表面的な理解が、4年生程度しかないのだが、家で親が子供を見ている場合、親がそれを認めるのが難しい。学歴が高い親ほど、注意力散漫で片付けようとする。学校でも、集中力養成とかの無意味なセミナーばかりしている。

Sくんは、家に帰って、ノートを親に見せなかったのかもしれない。親の方でも、宿題など見たくもないのだろう。何の電話もなかった。

追記

2日後の単元テストは、Sくんは79点だったらしい。普段は50点程度だから大幅アップである。

宿題の問題集、Sくんがやった場所だけ赤丸をつけておいた。残りはアンカラママの筆跡だから先生は気づいたはずだ。(上の子の宿題を、普段からどんぐり方式でしているのを、先生は知っている)

Sくんが自分でやっていたら、あと5時間くらいかかっただろう。アンカラママは、1時間半で、基礎の基礎だけ押さえた。

これで、こんなに点が上がるんだよ。

先生、今週も文章題40問を、ノートに問題も書いて、解いてくるという宿題だけど、気づいてほしい。

子供たちを苦しめないでほしい。


3か月半

最初は、4年生が3年生よりも、「解く」ことはできていた。

しかし、3か月を越えるころから、逆転の兆しがでてきた。

3年生が、4年生より伸び始めた。

3年生の中でも、投薬治療をしている二人組は、残念ながらほとんど変化がない。

しかし、他の3年の子供たちは、1MXに入り、積極的に取り組んでいる。

「解ける」「解けない」でなく、じっくり描き、やりとげようとする。

一方、4年は、1MXと0MXの両方を与えられているのに、1mxを敬遠する子が3分の1。

自力でできない子が3分の1。

3分の2がこういう状態であれば、クラスのモチベーションを保つことが難しい。

普通にやる子でも、「算数はきらい」だという。うんざりしているのだろう。

1年生のころから、親が算数を教え込んできた子も含まれている。

先日の2年生の授業でも、1人の女の子が、「家に帰って宿題する時間がないから、どんぐりの時間に、宿題をさせてほしい」と言いに来た。

その日は、算数の家庭教師が、家に来て2時間授業をするのだという。

この子のどんぐりにも、早くから先行学習をさせられている子に、よく見られる傾向・・走り書きのような汚い字、最短距離で解こうとするくせがある。

クラスのほかの子達の作品を見比べれば、その子が何を得て、何を失ったのかわかると思うのだが、普通のテストは高得点なので、なかなか気づくことができない。

今年もよろしくお願いいたします

うちの学校で、どんぐりに理解ある先生の筆頭は、中学部の数学の先生だ。抽象事項が理解できない、数学嫌いの生徒たちを日々相手にしているので、小学部で算数を理解させず上げてくる先生方にもともと不満を持っていた。だから、アンカラママが、「来年、あなたが教える生徒たちの作品だけど」といって見せると、こんな基礎もわかっていないのか、と顔が赤くなり、これはいいことだ、どんどんやってくれ、と言う。授業オンリーで理解できるうちの上の子も見ているし。

さらに、うちの下の子(4年)の担任の先生も、このまま中学部(トルコは今年度から新体制4-4-4なので、5年から中学)に行ったら明らかに落ちこぼれるであろう子供たちに対し危機感があるので、生徒の情報を共有してくれたり、共同体制ができている。

1年生の担任の先生とは、みんな仲良し。アンカラママのユニークな授業を時々見ているし、新しく開校したこの学校を、なんとか軌道に乗せようと、日々奮闘中。

他には、外国人の英語の先生方。トルコの詰め込み方式が嫌いなので、自分の子供におうちどんぐりをさせたり、共感度大。

美術の先生。自由にイメージを遊ばせる作品を見て、高く評価してくれる。

演劇の先生。ひまなときに、壁に貼ってあったどんぐり問題やってみた♪らしい。

情報科学の先生。子供たちが、ゲームや情報機器で受ける弊害に詳しく、どんぐりの環境重視の考えに共感。

幼稚部の先生方。アンカラママの本気度が、好感度大。

学校のオーナー。子供に人気がある先生は、子供の先生にふさわしい、と思っている。

こう書いてみると、たくさんいるな。

うれしくなった。

今年もがんばろう。

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今週は行事が重なり、3年の授業だけだった。

3ヶ月半前の、頭の健康診断が全滅だったAちゃんの作品。

Aちゃんは、アンカラママの授業もあまり聞かないし、勝手にお絵かきしていた子。

いきなり顔を輝かせて作品を持ってきたので、びっくりした。

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Author:アンカラママ
トルコ エスキシェヒル在住

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