三角視算表の実践

どんぐりの授業は週1コマ40分、行事などにもぶつかるので、年間30回ほどしか確保できない。

今年は2年生のクラスで、三角視算表(略して表)導入の計画を立て、すでに1回目をやった。

毎授業頭に、5分程度時間を取り、1ユニットずつやると、1年間でほぼ最後まで行ける。通常の算数授業で、掛算が始まるのは、2学期からである。

最初に子供たちに、どんぐり帳でなく、通常の算数ノートの裏表紙に、表を貼ってもらう。表を見る回数を増やしてもらうためだ。
この表は、下部の数字(かける数とかけられる数)のみが入ったもので、上は自分で記入できるようになっている。

本当は子供たちが表を書けるといいので、日本ならできるかもしれない。

この表の説明は、一切しない。掛け算という言葉も使わない。このことは、担任の先生にも説明して、お願いした。

教室のボードには、宝箱が描いてあり、その上に黄色い画用紙で作ったお宝が4個、貼り付けてある。

子供を一人呼んで、2人目の海賊になってもらう。

「おおっお宝があるぞっ!さあ、山分けだ。オレに1個、オマエに1個、オレに1個、オマエに1個」
「2人の海賊が、2個ずつお宝を取った。全部で4個だ」

ボードに、大きくユニットを描き、左下の部分に海賊2人、右下の部分にお宝2個、上の部分にお宝4個を描く。

「これを数字で表すと」横に、もうひとつユニットを描き、今度は数字を書き入れる。

子供たちのノートに貼ってある表を見てもらい、該当するユニットを探してもらう。

「あった!」「一番上だ」

2×2の数字は印刷済みなので、上の4の数字のみ描いてもらう。クラスの人数が少なければ、白紙の表にして、全部の数字を書いてもらうことも可能だと思うが、人数が20人を超えているし、休みの子もいるので、次善の策だ。

最後に目を閉じて、イメージ再現してもらって、終わり。

教室の壁には、左下数字のみ入った大きな表が貼ってある。数字がひとつだけ入っている理由は、表が埋まったあと、ユニットを探すとき、かける数が同じユニットが集まっていることを今から見ていたほうが探しやすいと思うからである。この表は、授業と同時進行で、ユニットを毎回ひとつずつ埋めて行く。

そのうち、表に規則性があることに気づいて、子供たちのほうから、アンカラママに教えてくれる日が来ると期待している。

しかし、毎回同じパターンでは面白くないので、海賊には木の上の鳥の巣とか、ゴミ箱とか、いろんなところでお宝を発見してもらおう。(ボードに描くだけ)

あと、子供たちのどんぐり作品にも、該当するユニットを、赤ペンで書き入れてあげることにする。

ドリル的な実践は、2学期の様子を見て、担任の先生とも相談して考える。
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先生を巻き込む

高度成長が続くトルコは、今年アンカラで設立された私立小学校が、小規模なのを加えると、15以上。東部の地方では、学校すら行かせてもらえない子供たちもいるのだが。

うちの学校でも、新学期になり、たくさんの先生が入れ替わった。ここでは、少しでも高い給料をくれる学校に、簡単に移ってしまうし、保護者に受けが悪い先生は、すぐにクビになったり、非常に流動的。学校に限らず、民間セクターはどこもそうだ。仕事を続けることはキャリアを積むことだから、職場を変わってもネガティブに取られることはない。

というわけで、1年かけてどんぐりを見てきてもらった先生方も、大半がいなくなってしまった。

また、一人一人と信頼関係を築いていかなければいけない。

昨年の結果から、担任の先生を巻き込むことができたクラスは、高い成果が出たことがわかっているから、これは保護者を巻き込む以上に重要。

昨年から残っている小学部の先生は、3人しかいない。新しい先生が、6人。

また昨年の繰り返し、どんぐり作品を貼らせてくれ、と言えば空きがないと拒否されたり、低学年のクラスが崩壊状態でも「あなたも先生なら自分で何とかすべき」「週にひとコマくらいどうでもいい」と無関心だったり・・・

昨年はこれで、自分に持病が出たりしたことから、今年はできるだけ腹を立てないようにしている。

さて、昨年から残っている先生のうち、1人は毎回授業に参加してくれる。残り2人は時々クラスにきて、生徒に気合を入れて出て行くだけだった。

そのうちの一人である男の先生、今年は4年生を受け持っておられるのだが、アンカラママの、今年度2回目の授業にやってきて、後ろの席に座って、Nちゃんの手から、返却された頭の健康診断の紙を見ていた。2M55などの問題が、鮮やかに解かれている。

1問目を見てみると、0mxの「ももんがのマント」問題。Nちゃんが、テストのとき、簡単すぎて笑いを漏らした問題だ。

「うむ・・」

なるほど、こうやって描けば簡単だ。これなら、クラスで低学力の男子2人組も解けるのではないか。そう思った先生、男子の横の席にやってきた。その子のテスト用紙は白紙である。

「おまえ、これをやれ。ももんが、ももんがの絵を描くんじゃ。」
いきなりの先生のアクションに、驚いた男子「???」
「何でもいい、ももんがだ、空飛ぶリスだ」
目を白黒させた男子、〇と△で、ももんがらしきものを描く。
みぎに1かい ひだりに2かい まんとをひらひらさせます、だ。何をやっとる、描けい、描かんかっ!」 顔が赤くなる先生。

「うぬっ何でこんな簡単なことができんのじゃあっ」

クラス中が、ドン引きして見ている。

アンカラママの、「ゆっくり想像してごらん。ももんがって知ってる?空飛ぶリスさんだよ。木から木に飛び移るの・・森の中でね・・さあ、描いてみようか・・・」
催眠術のような誘い文句とあまりに違う。

「あの、先生、怒ったらだめです、怒らないでください」

この子に描かせるには、ももんがになってもらって、右と左の手を動かしてもらい、実際の動きを体感させる。今回はテストだったので、そういう個人フォローはしなかった。

この先生を巻き込むには、どうしたらいいのだろう。それには、アンカラママが、この先生の役立つことをする、つまり、ギブアンドテイクの関係を作る。どんぐりでギブをしているつもりでも、相手が有効性を実感していない場合、何の意味も持たない。

昨年は、空き時間に工作を手伝ったり、先生が保護者と話している間、クラスで絵描き歌を教えたり、できるかぎりのことをしたつもりだ。しかし、12人の先生にギブをするのは時間的に無理。

どうしても優先順位をつけなければならない。必然的に、4年と、新設された3年B組ということになる。

そこで、昨年もときどきやっていた放課後の個人指導を、優先的にこの2クラスにあてることにした。


新学期始動

9月中旬。トルコの新学年が始まった。

今年は、アンカラママの生徒は総勢192名。

「この1年ですごく進歩しました」新1年生のお母さん、

「今年は1年生の授業はしてくださるんですか、ああ良かった!」新1年生のお母さん、

「今までお話したことがなかったのだけど、1度是非お礼を言いたくて。息子と買い物に行くたびに、驚かされてばかりです。いつの間に、こんな計算ができるようになったのかしら」新2年生のお母さん、

「あなたがいらっしゃるから、今年もこの学校に通わせることにしました」新4年生のお母さん、

「休み明けに、真っ先に、あなたが今年もうちの学校に来るのか、校長先生に尋ねたわ」2年生の担任の先生、・・

去年はとにかく試行錯誤の毎日だったけど、今年は去年の反省も踏まえて、さらに効果的にやる予定。

さて、新3年生は、昨年度は1クラスだったのが、今年は人数が増えたので1クラス新設された。

そこで、学年はじめの、頭の健康診断で、1年間どんぐりをしたクラスと、していないクラスで、比較することができた。

1年間どんぐりをたといっても、このクラスは女子がバレエの課外活動とぶつかったりして、あまり満足にできなかった例のクラス。

問題は、0mx15のしげっちなふだっち 0mx42 めがねをかけたメダカ 0mx84 男のありさんと女のありさん 1mx93 ありんこ小学校の砂糖争奪戦



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上がどんぐり経験のA組。わからなくても、絵を描いて、考えた形跡であふれている。35分間、時間いっぱいまであきらめない生徒がほとんど。

下は、未経験のB組で、0mx15を不足なく回答できた生徒はなし。一読して、手付かずであきらめる生徒がほとんど。考える方法を教えられていないのだ。

この結果を、A組の担任の先生に見せた。

自分の指導に絶対の自信を持っているので、これも自分の指導の成果だ!と言う御仁なのであるが・・

昨年は、最初はどんぐりをバカにしていたのだが、最近は「アプローチの仕方は違うが、自分と同様生徒を愛している」のがわかり、だんだんアンカラママを認めるように。

(先生たちの中には、教室でDVD見せて、自分は職員室でお茶を飲んでる人までいる。ここ、先進国じゃないから)

よっしゃ!と意気投合する二人なのであった。。。
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アンカラママ

Author:アンカラママ
トルコ エスキシェヒル在住

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