4年クラス崩壊

学校どんぐりが、すべて順風満帆というわけではない。

2ヶ月前、1学期が終了した時点で、アンカラママは校長先生に、「4年クラスは2学期は入りません。私の力では授業を維持できません」と申し伝えた。

校長先生は、あっさり了承した。

学校で授業をすると、100%どんぐりの授業ができるわけではない。

授業中問題を起こすさまざまな生徒の対応のために、授業時間の半分は費やされてしまうと言っていい。

それも含めて学校教育だからだ。

どんぐりを週1時間やっていれば、そのような問題すら解決してしまう、というようなものでは無論ありえない。

また、子供の起こす問題といっても、学校で長時間拘束される子供たち、特に低学年の子達の、当然の反応とも言えるし、それを押さえつけるのはもともと理不尽である。40分授業が、週合計50時間ある中で、体育はたったの3時間しかない。それ以外は、ほぼ全部椅子に座っての授業なのだ。

アンカラママだけがこういう認識でいるわけでなく、現場の先生方は同じ認識であり、教育ビジネスの場と化した学校で、何とか自分ができることをしようと、日々奮闘されている方々が多い。

担任の先生は子供に対する対応はぶれないのだが、アンカラママにはぶれがあるのだろう。

アンカラママは幼稚部4クラス、1年生3クラス、2年生3クラス、3年生2クラス、4年生1クラスの、計13クラスに入っていたが、4年生は2ヶ月前から深刻な問題に見舞われていた。

1学期の前半は、それなりにうまく行っていた。全くやる気のない男子2名は、どうしようもなかったが、この子達は、普段の他の授業でも何も聞いていなかった。

ところが、後半、転校してきた、どんぐり経験のない女子が一人、クラスのリーダー格になってから、クラスが崩れ始めた。

最初の数回、どんぐりをやったが、こちらの指示を聞かない。絵を描かない。したがって、問題も解けない。

彼女のために、昼休みにフォローに入ったが、芳しくなかった。

Nちゃんたちの作品を見ても、「こんなに面倒なことをやらないといけないなんて、まっぴら御免」という反応だった。

彼女は周囲を邪魔し出し、クラス中が引きずられ始めた。

彼女の毒のある軽口に、みんながゲラゲラ笑う。Nちゃんは「何がおかしいのよ・・」と眉を潜めた。

アンカラママは担任の男の先生に応援を頼んだが、昨年同様、助けはなかった。先生も、彼女に手を焼いており、「せっかく築いてきた秩序をぶち壊した」と声を荒立てた。

廊下に出すとかの罰も、保護者からクレームが来る、というので出せない。

全力で口答えしてくる女子相手に、週40分は時間的に足りないのである。

何度かクラスで話し合うなどの機会も設けたが、話し合いになる雰囲気も作れないし、こちらの語学力も十分ではない。

そして、アンカラママには、自分が立派な教育者になろうとか、そういう覚悟もないのだ。

これから先、生きていくうえで、少しでも有利なとっかかりを学んでほしい、ただそれだけ。

アンカラママはこのクラスをあきらめることにした。ストレスで持病が出始めたから。

最後に、授業はこれで終わるけど、どんぐりを継続したい子は、ノートを持ってきたら添削する、と伝えた。

しかし、2学期になっても、ノートを持ってくる子は一人もいなかった。

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2年B組

この組は、昨年度から実施されている、就学年齢5歳制度の最初の子供たちであるから、2年生といっても6歳児なのである。(2年A組は7歳児、2年C組は6,7歳児混合)

昨年度は、本当に苦労した。担任は今の先生が3人目。通常4年までは持ち上がりだから、2人の先生が投げ出したのだ。

昨年、一度、音楽の授業を覗いてみると、半分くらいの子供たちが床にごろごろ転がっていた。夕方まで椅子に座っていられないのだ。

音楽の先生はキーボードの音量を上げて、金切り声を上げて歌っている。途中で耐え切れなくなって教室から出て来る女の子。「あたまがいたい、いたい」「おうちに帰りたいよう」

アンカラの私学の中で、比較的授業料が安いこの学校を選ぶのは、両親とも働いているか、片親の家庭が多く、夕方5時半まで預かってくれるのがウリなのだが、子供たちには拘束時間が長すぎる。

こうなったら、どんぐりなんて二の次だ。

せめて、劇でも見せてあげるように、この子達を苦しめないで時間をすごさせてあげることはできないものか・・・

半数近くの子供たちが、アンカラママに心を開き、授業を心待ちにするようになった。

むしろ、A組やC組よりも、変化が顕著だった。1学期はまったくといっていいほど授業にならなかったのが、2学期は一番反応のいいクラスになっていた。

しかし、他の先生たちは、全員が、あの組が一番やりにくいと言い、いったいこの先どうなるのか心配していた。現政権が打ち出した、教育改革の犠牲者、と憐れみの目で見られていた。

この教育改革については、首都アンカラでも激しい反対デモが起きたが、強権的に押し切られたのだった。

だから、2年生になって、最初の実力テストで、クラス平均が一番いいのがB組で、学年10位までの子供たちが、全員B組にいる事実を知って、校長先生含め先生方がびっくりした。

2年の実力テストなんかたいして意味はないのだが、B組のどんぐりを知っていたアンカラママにとっては、やっぱりね、という感じだった。

簡潔な絵図を描き、正答率が高かったのではない。お絵かきを楽しみ、脱線する子が一番多かったのである。


3年A組

2年目の3年A組。

アンカラママ「今日は午前中実力テストでみなさんお疲れですね。じゃあ、私が問題をひとつやりますからおとなしく見ててね」

3MXの問題文をボード上部に集中して書きはじめるアンカラママ。

最後まで書き終わらないうちに、もう、

3人の男子がボードに貼り付いて勝手に絵図を描いとるよ~~~

アンカラママ「あんたらっ今日はお疲れだから私が描くと言うとるのに!」

「いや僕が描きます」「お願い、僕に描かせてください」「もうオレわかっちゃったもんね」

女子数人「せんせ~問題ノートにやってもいいですかあ」

この、ボードで見本を見せるのに、案外問題を選ぶのが難しい。難しすぎると、大半が興味を失って見なくなるし、簡単だとこんな状態になる。

問題は、これ。

<3MX02>
デンデン君は、毎朝公園の周(まわ)りのお散歩ロードを1周します。
お散歩ロードは1周3km200mです。デンデン君は15分で400m進むことが
できます。では、デンデン君が朝のお散歩以外に使える時間は1日に
何時間何分あるでしょう。 

あんずの花が咲いた

半年前に新設された3年B組。

頭の健康診断でほぼ真っ白だった子達に、ぼちぼちどんぐりマジックが始まった。

担任の先生「きのうね、Dって男子いるでしょ。あの子が、算数の授業中に、(日本算数のやり方でやってみたら、できた!)って大喜びで教えてくれたのよ。それで、あなたにも言っておこうと思って」

「何のために絵を描くのか実感したら、伸びるのが早いですよ♪」

何で算数なのに絵を描くの?
何で式がいらないの?
何で間違っててもほめられるの?←超重要

アンカラで、あんずの花が咲き始めたねえ。桜にも似て。

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アンカラママ

Author:アンカラママ
トルコ エスキシェヒル在住

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