子供が変わるとき 

先日の記事で、2年A組の味噌っかすの子が一等賞の作品を描いたことに触れた。

この子は授業中にえんぴつを噛んで、全部ぼろぼろにしてしまうような子だった。おとなしくて、存在感が薄い。

1年間かけて学習したアルファベットの読み書きを、夏休みに全部忘れてきた、といって、担任の先生を嘆かせたのだった。

席は、いつも担任の先生の真向かいだった。目が届くように、ということ。

きのう、A組の担任の先生が欠勤したので、アンカラママがふだんのどんぐり以外に3コマ入った。折り紙、レクリエーション、そして、「四角に切れ」を作って配った。数字に応じた面積をマスの中で見つけていく算数パズルである。トルコではまだないらしく、周囲の大人は誰も知らなかった。(うちの息子たちはニコリのパズルサイトからダウンロードしたものに一時はまっていた)

このパズルは、奇数、偶数、素数、約数などを視覚で理解できる優れもの。通常のものは、そういう要素を意識していないので、アンカラママは、12などの約数が多い数を入れ、2×6 や 3×4 などのマスで切れるように作ってある。 

初心者用に分かりやすく作ったので、子供たちはすぐに要領を理解した。それでも、最後の9×9マスの作品は手こずっている。

味噌っかすのUくんがきた。「できた」
パズルを手に、にこにこ笑っている。

「え・・もうできたの?」「うん」
「あれ、驚いたよ。よくわかったね。」

この子は今まで、クラスで一番になったこととか、先生にほめられたこととは無縁だったのだろう。

「次のパズルをちょうだい」
難しめのものをもらってうれしそう。

Uくん、今日は「コロコロとごろごろの問題」に果敢に挑戦。
コロコロの所要時間は出たが、ごろごろの時間を出すところで時間切れ。

1年生のときの、頼りないどんぐりからは、別人みたい。
初めての課題に対する躊躇、逃げが感じられない。

小さな子供特有の、預けきった信頼の目で、アンカラママをしっかり見ている。

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いたずらっ子ができて、優等生が詰まる その2

1年C組は、いっときも目を離せない男の子が一人いる。その子は、5分くらいなら絵を描いてくれるのだが、描いているときもずっと大声で一人でしゃべり続け、文房具などすぐに無くしてしまうので、クラスの子の筆箱から勝手に失敬するたびに、騒動が持ち上がる。アンカラママは自分の色鉛筆セットを貸してやり、なんとか10分くらい持たせることもできるのだが・・

昨日はその子にかかりきりになっていて、他の子の注意がおろそかになっていた。すると、クラスの女子たちが、「どんぐり問題」をめぐってけんかを始めたのである。

クラスのおしゃれ番長のDちゃん。色つきリップでいつもぬりぬりしている。この子は、昨年1年生にあがることもできたのだが、家族の判断で、1年遅らせて1年生にあがってきた。クラスの女子の中に、仲良しグループを作り、クラスを仕切ろうとしている。

対するは、さわやか優等生のEちゃん。髪は短く切り、誰にならったのか、簡単な計算式を書くこともできる。クラスの算数の授業は、まだ「9」をやっている、というレベルだが。

さて、Dちゃんはここの幼稚部の出身だから、どんぐり3年目なのに対し、Eちゃんは外部の幼稚園から来たので、この9月末からどんぐりを始めた。未経験者に合わせて、レベルを落とした問題から始めているから、今までのどんぐりは簡単だった。

きのうの問題は、うさぎの弁当屋さんの問題だった。

今まで、たしざん、ひきざんの式もつけて、模範的お絵かきをしてくれていたEちゃんが、答がわからずに詰まったのである。

日ごろ先生から怒られてばかりで、鬱憤のたまっているDちゃんが、それを見逃すはずがない。

席が向かい合わせなので、Eちゃんが困っている様子が面白くてたまらない。

おそらく、「そんなんもわからんの。バーカ」というような言葉を投げたのだろう。

Eちゃんが、顔を真っ赤にして「あんたのが間違ってるんじゃない。答はこうよ!」と言い返した。(たぶん)

それを、他の3人の女子が見物している。

いつも模範生のEちゃんのが正しいか。番長のDちゃんのが正しいか。値踏みしているのである。

日ごろのグループ分け、勢力図も関わっているので、感情的にボスの見方をするべきか・・

とまあ、アンカラママが少し目を離しているすきに、こんなおバカ劇場が展開されていた。

Dちゃんが、血相を変えて、アンカラママに告げ口に来る。

「Eが、あたしに「イ~~~ッってやった!」」

Eちゃんは、半泣きで、アンカラママを味方につけようとする。

谷川俊太郎の詩集「いちねんせい」の世界である。

来週から当分、このクラスのどんぐり問題は、最後の問いがカットされる予定。

答はありません。文章どおりの絵を描いてくださいね。

いたずらっ子ができて、優等生が詰まる その1

今週の2年生の問題はバッタのサイダー問題だった。105円のサイダーを買うのに、81円しかない。差額を3人のお母さんから均等にもらう問題。

トルコでは小学生の新学期は大体図形から始まるから、この時期、2年生は自然数の計算は、昨年度の1年生のときの計算までしかしていない。つまり、20までの足し算と引き算である。

今回は、105-81 の計算を、自分で工夫してださなければならない。

実は、これは学校どんぐりをする上で、初めての試みだった。昨年の2年生は、後期の終わりにこの問題をしているから、100までのくりあがり・くりさがりの筆算を学習したあとだった。

さて、今回子供たちはどんな反応を示すか・・・

アンカラママのヒントは、「お金を描いて考えるといいよ」だけ。

どんぐり2年目、A組の場合。出席者14人。

105-81 の計算を、すぐに暗算した男子は2名。難なく答に至る。一人のは、81+24=105 の式が添えてある。もうひとりは、そろあんに通う子で、81円を、40円、40円、1円に分解した絵を描いてあるだけ。

お金をひとつひとつ描いているうちに、81から105 までいくつ書き足せばいいか、のやり方を思いついた子が8人。

そのうちの半数は、答に至るが、差額を正確に描けず、3で割れない子が半数。差額25とか・・惜しいね。

夏休みに、アルファベットの読み書きをきれいさっぱり忘れてきた、と担任の先生を嘆かせたクラスの味噌っかすの子は、お金の流れを表す矢印も、よく見ればカンペキで、差額のお金を赤鉛筆で区別して描き、24÷3もちゃんと視てやっている。絵がへたくそだし小さいので地味に見えるのだが、本日の一等賞は文句なくこの子。あとで担任の先生に説明するのだが、悲しいかな先生にはこの子の絵図のすごさがわからない。

残り3人は、そろって優等生タイプの女子である。言われたことを従順にこなすのは得意なのだが、考える力が足りない。

クラスのうるさいイタズラ坊主たちが、「わかった♪簡単ジャン」と調子をこく声が聞こえてくるので、女の子たちは顔色を失ってそわそわし、周囲を盗み見して、答をうつしてまで体面を保とうとする。もちろん、アンカラママには通じない。

女の子たちは、お金を描いてみるのだが、その先が見えない。とうとう、2人が泣き出してしまう。

1年前にやった、うさぎの冷蔵庫問題と同じ理屈の問題で、普通に描けばできるのだが、数字が大きくなっただけで、何がこの子達にブレーキをかけてしまうのだろう。

毎日のしょうもない宿題は丁寧にこなしているのだろうに。宿題をどんぐりに変えれば、どんなにいいのに・・と思うのだが、

アンカラママはできることをやるだけ、なので。。ここまで。

ミスの傾向

学校でどんぐりをしていると、ミスをするにも傾向があって、「この問題ではこういうミスをしやすい、むしろ、そのように仕組まれている」のが見えてくる。

たとえば、

きょだいハムハムたちと ふつうハムハムたちが あそんでいます。
きょだいハムハムは ふつうハムハムの ちょうど はんぶん います。
かぞえてみると、 みんなで 18ぴき でした。
では、 ふつうハムハムは なんびき いるのでしょう。

のような問題では、きょだいハムハムとふつうハムハムの割合を逆さにしてしまう。

おそらく、大きい=多い 小さい=少ない という先入観があって、早合点してしまう。
逆になっていることを教えても、理解できないことも多い。

これは、高学年の子もミスするだけではない。以前、どんぐり会員の方が、0mxを英訳してくださっているのがあったのだが、この問題の英訳で、きょだいハムハムとふつうハムハムの割合が、逆になっていた。

<0MX13>
かめさんとみのむしさんが おともだちを 3にんずつさそって おさんぽにでかけました。
いったい、みんなで なんにんで おさんぽに でかけたのでしょうか。

この問題で、5歳の子供たちが、おともだちを2にんずつ描いて、全部で6人、と数えるケースがとても多い。
日本のママさんたちの、どんぐりブログでも、見かける。
「意外とわかってない」「描き忘れ」などのコメントがついている。

子供たちは、かめさんも入れて、おともだち3人だ、と数える。

「かめさんとみのむしさん」 「おともだち」「3にん」「おさんぽ」
こういう感じで、ばらばらのイメージで考え、把握しようとする。

問題数が進み、相対的な理解ができるようになると、こういう回答はなくなっていく。

デンタ君とせんせい

デンタ君を導入して一ヶ月。といっても、1回15分だから合計1時間ほど。

指計算2回。 デンタ君1号2回。 そして、今週からデンタ君2号に入った。

デンタ君のコピーを、事務のおねえさんに全員分ラミネートしてもらったのだが、不満がでてきた。

ホワイトボード用ペンで描いて、紙ナプキンで消しているのだが、消すのが面倒なのだ。

わずか数秒なのだが、面倒なものは、やる気を無くすもとである。

ペン跡が残りやすく、それならばとウエットティッシュを使うとこれが曲者で、

完全に乾く前に、上から描くと、インクが化学反応でも起こすのか、さらに消えにくくなったりする。

これをずっと使うわけでなく、頭でイメージするまでの一時的な補助道具なので、お金をかける必要はないと思うのだが、

もし、この記事を読んでいる方で、新たに家でデンタ君をやろう、と思っている方があれば、試していただきたいものがある。

それは、往年の名玩具「せんせい」を使うこと。

あの、ハニカムスクリーンの下の蹉跌がくっついて絵が描け、レバーを引くだけで全部画面が消えるお絵かき道具である。

ただし、百均でうっているものは、画面が小さすぎて、デンタ君1号はいいけど、20本の手の2号は、小さすぎて良くないと思う。

オリジナルのタカラトミーのせんせいは、画面も大きいのだが、アマゾンで2500円程度。(カラーせんせいはもう少し高い)

デンタ君のために、新たにせんせいを買う人はいないだろうが、もし、家に使っていないせんせいがあるなら、画面に油性マジックでデンタ君2号を描き、デンタ君専用として復活させてみたらいかがだろう。

これなら、利便性は抜群である。

兄弟がいるとか、塾などで、経年使用が見込めるなら、惜しくはないと思うのだが・・・

幼稚園のデモ授業

虫歯のわにさんの問題。アンカラママのデモ授業。

アンカラママは、最初は口を閉じたワニさんを描く。ワニさんは泣いているので、どうしたのか、と子供たちに予想させる。

ワニさんの近くには、アメなどが転がっているので、虫歯かな、という子供が出てくるのを待つ。

それから、みんなで「お口を開けて!」と呼びかけさせる。

その下に、今度は大口を開けたワニさんを描く。

必ず、「ワニさんがもう一匹来たのかな」という子供がいる。それに対して、「同じワニさんよ」と答える子がいる。
どのクラスでもそうだ。

ここで、シーン展開の描き方を、子供たちに見せている。無論、子供たちは意識していないが・・

さて、虫歯でない歯をみんなで数えるとき、虫歯の歯もあえてペンを指していく。

すると、4-5-・・と惰性で数えてしまう子がいる。

アンカラママはそこで手を止める。子供たちは、あれっという感じで、しばし無言になる。

アンカラママが何も言わなくても、「虫歯の歯は数えないんだ」と言う子供が出る。

そこで、数えるのを再開する。

授業を見ていた幼稚園の先生で、すかさず「虫歯の歯は数えないのよ」と言ってしまう人がいた。

アンカラママ「わざとやっているんですよ。子供たちに考えさせるためです。必ず子供たちの間から、答が出てきますので、待ってあげてください」

テンポよく授業を進める、という発想は皆無。

ゆっくり、想像をしながら、授業が進んでいく。

時には、子供たちの提案で、別の方向に行くこともあるのだが、訂正せずに、それを描き進めることもある。
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プロフィール

アンカラママ

Author:アンカラママ
トルコ エスキシェヒル在住

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