ある教師の思い出

普段は体罰などしない、初老の、気のいい現代社会の高校教師だった。

修学旅行で酒を飲み、酔っ払って女生徒の腹を蹴った、というので新聞沙汰になり、即座に飛ばされた。

飛んでいってほしい体罰教師は、他に山ほどいたので、「惜しいな」というのが当時の感想だった。

わずか、3ヶ月ほどの授業だったのだが、たった一つ、授業中の雑談を覚えている。

それ以外は全部忘れてしまった。

「きのう、うちの子供が宇宙戦艦ヤマト、という番組を見ていたんですがね。登場人物のモデルが、よく分かって面白かったですね。ガミラス帝国のデスラーというのは、ナチスのヒットラーがモデルですね。それから、ボラー連邦、というのが出てきてましたが、あれはソビエト連邦をモデルにしているんですね」

黒板にいちいち書きながら、嬉々として話すのである。

アンカラママは、小学生からのヤマトファンだったから、笑いを隠すのに苦労した。

いや、見所はそんなところじゃないのだが、大人はそういうとこを面白いと思うのか。

ボラー連邦が出るときのBGMは、スラブ音楽みたいなの。ちなみに、ヤマトの音楽集のLPはほとんど持っていた。

********************************

今、幼稚部から4年までどんぐりの授業をしているが、子供たちが大人になるころ、アンカラママの授業は覚えててもらえるだろうか。

しょうもないギャグしか記憶に残らないのではないだろうか。

----ぼくが小学生のときにね。日本人の先生がいて、いつも面白い算数の授業をしてくれたんだよ。

もう、ほとんど忘れちゃったけどね。亀の問題、ってのは覚えてるなあ。

中華料理店の亀が逃げ出して、電線に登る話でね。

怖そうな客がね、前から何番目の亀と、後ろから何番目の亀、ああそうだ、その間にいる亀を食べるって言ったら、亀がぽろぽろ涙を流して悲しむんだ。それで、店の人が、はしごに登って亀をつかまえに行ったら、感電して死ぬって話なんだ。その先生も、亀のスープを飲んだらしいって、僕は家族に言いまくってたなあ。-------
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No title

宇宙戦艦ヤマト、、生まれてはじめて映画館に行った思い出。。。。


亀の問題、おもしろい話に発展してますね。絵が描きたくなってしまいます。

Re: No title

たまこさん、おはようございます。今、こちらでは2週間の冬休みです。

ポイントは感情が動くかどうかなんですね。どんぐり問題は、子供が感情移入できるように、キャラ設定されているのですが、キャラの感情が理解できたときに、感情移入は起こるのですね。

以前、2年以上の学年で、電線亀の問題をやっても、たいして受けなかったんです。ということは、子供たちが亀の感情が想像しなかった、またはできなかった。単なる楽しい設定、としてしまえば、それで終わりなんですが、ここで一ひねりしたほうが、ずっと効果があることに気づきました。

亀はどうして電線に登っているのか? 見晴らしがよくて気持ちいい。(幸せな亀)それとも、何かから逃げている。(不幸せな亀)そうやって、シナリオを作っていきます。

算数の授業で子供たちの感情を動かすのは、どんぐりならでは。

すっかり引き込まれた子供たちは、その後、絵を描き出します。

補足です

この記事だけ読まれるかもしれない方のために補足します。

私は、どんぐりの授業で、最初の10分、お手本を見せています。

幼稚部や1年、2年の授業では、ただ絵で解くやりかただけでなく、短い算数劇くらいまで膨らませ、その中に、どんぐり文章題の本文が入るように工夫しています。子供たちは、その間はお絵かきをせず、見ているだけなのですが、勝手にボードの絵を写し、さらに自分でお話の続きを描き足す子もいます。

授業では、そのあと、一文ずつの読み聞かせで、どんぐり問題をしてもらいます。このときは、オリジナルの文のままで、やってもらっています。
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