どんぐりの説明会 原稿の一部

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てっぺんに はんぺんが ついている おでんの くしを30ぽん かいました。
まいにち 5ほんずつ たべるとすると なんにちで たべおえることが できますか。
(トルコ語版では、てっぺんにピーマンがついているシシカバブ)

昨年度の1年生の授業で子供たちがやった問題です。どんぐりの授業を半年以上受けています。90%の子が、正解しました。ほとんどの子が、「とても簡単」と言い、中には「簡単すぎるからもっと難しいのがいい」と言う子もいました。子供たちの絵を見てみますと、まず30本のシシカバブを描き、5本ずつマルで囲んでいったり、5本ずつ線で区切っていったり、5本ずつバツで消していったりするなど、さまざまな工夫が見られます。もう、私たちはこの状態に慣れてしまって、これがあたりまえのように思えてしまうのですが、どんぐりをやったことがない子供たちはどういう反応をするのかを説明します。

私は2年前、同じ問題を2年生の授業で出したことがあります。彼らは初めてどんぐりの授業を受ける子供たちです。2年生のはじめでは、掛け算も割り算も習っていません。

こどもたちは問題を読んで、わかんない、といって私の顔を見ています。なぜわからないのか聞いてみると、こんな問題を今までやったことがない、学校で習わなかったからだと。足し算?引き算?と聞く子もいます。この子達は、算数というのは、やりかたを教えてもらって、それを覚えるものだと思っているのです。

そこで私は、2年生の子供たちに、絵を描いて考えてみようと言いました。子供たちは、シシカバブの絵を描き始めるのですが、30本のシシカバブを正確に描ける子は半分もいません。

① 忍耐力がなく、途中で飽きたり、いらいらして投げ出す子がいます。

② 正確・丁寧さに欠ける子がいます。数えるとき、13,15,18などとすっ飛ばして数えたりします。並べて描いていないので、同じものを2度数えたり、とばしたりする子もいますが、この場合は数ヶ月で自分で工夫できるようになります。

③ 数えるテンポが速すぎる子がいます。指のうごきと、数えるテンポがずれているので、何度やっても正確に数えることができません。この場合は要注意です。

さて、残りの子は、30本のシシカバブを正確に描けたのですが、ここで手が止まってしまいます。ヒントを出して最後まで描けたのは、わずか1名だけでした。

この子達は、幼稚園から1年生まで、何十何百という絵を描いてきたはずなのに、どうしてこの先が描けないのでしょう。絵が好き、嫌い、といった問題ではないのです。

問題の意味がわからないのでしょうか。いえ、この問題は簡単なので、5本ずつ減っていくイメージは彼らの頭の中にはあるのですが、それを絵にできないのです。どうしたらいいのか、何の考えもうかびません。

ここは、一般の人によく誤解されるところなのですが、彼らは今まで、時間や日にちが変化する絵を描いたことがないのです。人物の絵、景色の絵、車の絵などは描いても、1枚の絵の中で、時間が変化し、状態が変化する絵、つまり過程を絵にするトレーニングを受けたことがないのです。

過程を絵図にする、というのは、この先、過程を式にして、丁寧に思考を組み立てる練習につながりますから、非常に大切で、すべての子供たちに獲得してほしい力です。

この力があるかないかで、上で説明したとおり、1年生と2年生で、学力の逆転が起こります。同じ問題を、通常の年長の子が解けて、通常の6年生が解けない、という例でさえ、珍しくないのです。

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過程を絵にする

>1枚の絵の中で、時間が変化し、状態が変化する絵、つまり過程を絵にするトレーニングを受けたことがないのです。

本当にそうですね。ブログで紹介させていただきました。

Re: 過程を絵にする

ブログ紹介ありがとうございます。

どんぐりを紹介する場合、感情教育や視考力などを入れると、難しくなってなかなか心に響かないので、こういう説明がわりと説得力を持つようです。特に、高学年の保護者(先生)相手だと、ただのお絵かきだと思われて、低学年はいいけどね~と思われることがあるので、いや違いますよ、簡単そうに見えても、過程を絵にするトレーニングができるように、特別に作られた問題をやっています、みたいな。

昨年度の3Bクラスでは、最初から4-5つにコマ割して、1行ごとに絵を描きいれていく子がいまして、ほとんどの子が真似してやってました。付けたしすればすむ箇所も、毎回描き直しになるので、手間なのですが、それで結構行けましたね。

No title

一人でも多くの方にどんぐり倶楽部の存在を、どんぐりという選択肢もあるんだよ、ということを知ってもらいたくて、おもに幼稚園で個人的に倶楽部活動をしています。
なるほどー。過程を絵にするトレーニング・・・
これなら私の話しももっと短く、伝わりやすくなるな、ととても参考になりました。
(対話形式とはいえ、毎回お昼をはさみ4時間ぐらいしゃべっている私です・・・)

Re: No title

acornさんこんにちは。お子さん6年生なんですね。宜しくお願いします。

私は、最初どんぐりを始めたころは、この視点がなかったので、どうして消しゴムを使ったらいけないのとか、うまく説明できませんでした。問題を解くため、という思い込みが強かったですね。

> 一人でも多くの方にどんぐり倶楽部の存在を、どんぐりという選択肢もあるんだよ、ということを知ってもらいたくて、おもに幼稚園で個人的に倶楽部活動をしています。

頑張っていらっしゃいますね、励みになります。
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トルコ エスキシェヒル在住

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