楽しい算数

エスキシェヒルの新しい学校に来るとき、アンカラの前校の先生が口ぞえをしてくださったから、今回も科目名は「日本算数」になっている。

担任の先生方は、何か算数のテクでも教えてくれるのだろう、くらいの期待しかない。
最初の授業で、「今年から新しい科目が加わりました。この日本人の先生は、君たちに算数を解く為のテクニックを教えてくれます」と言って、そのまま出て行った先生もいる。

最初に気づいたのは、雑用で教室に残っていた年配の女性の先生だった。

アンカラママが、読み上げる文章題が面白いのだが、それを子供たちがどう描いているのか気になって見てみると、ほとんど間違っている。

アンカラママは、それを直す風でもなく、子供たちが得意げに説明するのを、一緒になって喜んでいる。

いったいこの人は、何をやっているのだろう・・・

「最初から全文を読んであげたほうが、うまく行くと思うけど」

「わざとやっているんですよ。この問題、大人には簡単そうに見えるけど、自力で考えたことのない子供には難しいものなんです。私が教えてしまったら、子供が考えなくなるでしょ。自力でいろいろ考えるように、仕向けてるんですよ」

はっとする先生。「そうか、今はなんでも既製を与えるだけだから・・」

「でも、間違えた子は、気づかないままじゃないかしら。」

「作品をあとで壁に貼りますからね。正解を出した子のものも目に入ります。だんだん分かってくるようになりますよ」

「子供たち、見るかしら」

「見ます。見る力がついてくるんです。数ヶ月したら、びっくりするほど子供が変わりますから。楽しみに待っててください」

「素晴らしいわ。あなたは子供たちに考えることを教えているのね」

普段の授業でも、自力で考えず、先生が教えてくれるのをただ受身で待っている子が多いのに、うんざりしていた先生。

この日本人が言っていることが本当なら、なんと楽しみなことだろう!

2週間もたつと、子供たちがどんぐりのことを「楽しい算数」と呼んでいる。

「次の授業はなに?」「楽しい算数だよ、やったーっ」
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