トルコ教育省 宿題制限に動く

数週間前から、3年生の担任の先生たちが、15日間の期間休みの宿題の、課題図書の選定をしていた。

その数、11冊。11冊から選定するのではない。11冊を選定しているのだ。

15日中、2回の週末を抜いた日数で、11冊なのである。

本は短編で、大人なら一冊1時間程度で読めるものだ。しかし、読書が苦手な子供にとっては、そうはいかない。

すでに、幾人かの保護者から、大量宿題の悩みを聞いているアンカラママ。その中には、この学校の先生もいる。

アンカラママは、せめて数を減らせられないか、と思い、言ってみた。

「たくさん課題を出さないでくださいね。日本だったら、休みの課題図書は1冊ですよ。気に入った本は何度でも読みます。そういう楽しみ方があってもいいのでは?」

ところが、全く受け入れられない。同じ本を、間をおかずに、すぐに読むのは無意味だというのだ。知識が増えることもない。

ほんの20年前、トルコはこんな豊かな国ではなかった。子供向けの本はそもそも少なく、子供は1冊の本を、大切に繰り返して読んでいた。

経済発展とともに、文房具屋、本屋、衣料品店には、子供用品があふれた。子供好きの国民は、自分たちの出費を削ってでも、子供用品の購入に走ったのである。

ところで、先生たちが選定している本の中には、以前アンカラママの子供が小学校で買わされたので、内容を知っているものもある。

中でもアンカラママが嫌いな2冊があるのだが、2冊ともリストに入っている。

「黒い魚」冒険に出た小さな黒い魚が最後に酷い目にあう話
「本なんてだいっきらい」日本でも翻訳出版されている。小さな男の子が、親から大量読書を強要され、弱視になったあとも、まだ読書を続けた話

1冊目は、児童文学としての評価が高いらしいが、子供が読んでも胸糞悪いだけである。子供は、ジャックと豆の木みたいに、最後に大成功して、お母さんに孝行する話がすきなのだ。

2冊目の読書強要は、この先生たちがやっていることそのものなのだが、本人が気づいていないとは、皮肉である。

ところが、2週間前に、トルコ教育省から、「期間休みの宿題禁止」のお達しが出た。

「休みは休むためにあるのであり、子供たちは普段とは違う経験をしなければならない。スポーツしたり、親類訪問したり、文化的な活動をするのにあてられるべきだ。宿題は出さないこと」

これで、学校は宿題を出せないことになった。

職員室の机には、業者が送ってきた期間休みのワークブックのサンプルが、大量に転がっていた。

先生たちはしつこく、通知表のメッセージ欄に「休み期間中は読書を忘れないで」と記入していた。

うちの二人の子供たちも、上は高校で下は高校受験生だが、喜んで友達と遊ぶためにアンカラに出かけていった。

あのときの記憶が蘇る・・・・どんぐりを知る直前だ、アンカラママは、2年の息子に、先生から言われるままに、読書を強要していたのだ!それだけじゃない、大量宿題も・・・

上の子は数年後に教えてくれた。「あのときは本当にいやだった。読め、といわれたから読んでたけど、何にもわかってなかったよ」

何て恐ろしい子育てをするところだったんだろう。下の子が泣き叫んで、反抗してくれたから、どんぐりにたどり着くことができた。

ちょうど8年前の今頃、どんぐりと出会ったのだった。



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Author:アンカラママ
トルコ エスキシェヒル在住

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