これが1年の差

5年選択どんぐり。学年末まであと3週間。人数は減って、1桁になっている。

今日、どんぐりっ子が、友達を一人連れてきた。普段は運動系の選択授業に行っているのだが、怪我で参加できないので、体験に来たのだ。

アンカラママは、1mxが10問印刷されてある紙を渡す。「どれかひとつ選んでやってみてね」

体験の子が選んだのは、くじらのプランクトン問題。

ところが、倍の絵図が描けなくて、固まっている。

どんぐりっ子が様子を見に来て、友達が簡単な問題がわからないのに驚いて、「ほら、こうやって普通に描けば、、」つい図を書き込んで教えてしまう。

体験の子は、どんぐりっ子たちのお絵描き帳を見て、圧倒されている。

3MX50、赤蛇くんと青蛇くん問題。いったいいくつ計算が連ねてあるのか。大人が書いたみたいな、複雑な図。なにこれ・・

横に座っている子のお絵描き帳。4mx66、ウルトラ時計問題。後ろの席、サブちゃんのサブレ問題。

5年選択どんぐりの作品は、ボードに貼られないので、他の生徒たちは何をやっているのか知らないのだった。

どんぐりっ子は、それまで特に意識していなかったのが、1年の間に、友達との間に、埋めがたい差ができているのを理解する。

お絵描き帳の最初のページを見せて、「ほら、私も最初はこんな簡単な問題から始めたのよ。」0mx問題、不器用な絵図。今から見たら、笑ってしまうほど簡単な問題を、ウンウン言って取り組んでいたのだった。でも、友達は、その簡単な問題が、できないのだ。1年前の自分と同じなのだ。

「これなんかあなたも知ってたら役に立つと思うな。」単位換算表を見せたりするが、お友達は言葉もない。
この子は最初は、単位換算が苦手で、cmとmmの換算も間違うような子だった。




授業のやり方に文句を言う1年生

用事があって、1年生の教室に入ると、子供たちがぶつぶつ文句を言いながら塗り絵をしていた。

「もう、やだよ!ぬってばかり、もうあきたよ!ぬりたくない!」
「やりたくない!(ページを最後まで繰って)まだこんなにあるよ・・・」

学年末が近づくと、大量に買わせたワークブックを消化させるために、先生がハイスピードで作業させる。

英語の1年生のワークブックは、非英語圏用に作られているので、単語と塗り絵ばかり。

線の太い、単純な、抽象的な絵柄で、塗っても大して美しくもならず、塗り甲斐がない。

どんぐりの授業では、別に指示しなくても色を塗る。自分の絵だから塗り絵と思っていないのだろう。

夜、子供にその話をすると、

「その年で、そんなことを考えるなんてすごいな。オレも、幼稚園のときとか、塗り絵ばっかりさせられてたけど、そのことを疑問に思ってなかったもんな。幼稚園はそういうところだと思ってたから」

どんぐりっ子、算数オリンピックファイナルに

アンカラママの前の学校で、幼稚部から3年生前半までどんぐりをやったクラスは、今4年生が終わろうとしている。トルコでは、小学部終了、秋からは中学部だ。

生徒の一人、(お母さんは、まだ幼稚園児だった娘を遺して乳がんで亡くなった。アンカラママとも仲が良かった)トルコの算数オリンピック4年生の部で、予選のトップ5%に入り、来週ファイナルに行くとのこと。

アイドン県に新しくできたTALASという数学センターなのだが、サイトの冒頭に「物語のように具象化して解く」と書いてあって、お、これは・・と思ってみてみたら、標榜しているのはシンガポール算数とインド式速算術だった。予選で出題されている問題と、解法のビデオを見たら、60分で小問25題、なんの面白みもない旧態依然とした問題。解法も、見るべきものがない。残念ながら、作問できるスタッフがいないらしい。

彼女のお父さんは、しゃかりきになって子供を鍛える人ではないので、彼女が算数マニアになって勝手に成長したのだろうが、彼女以外の参加者は、対策問題集を買って、パターン対策しただろうと思われる。

担任の先生が言うには、彼女は他人の気持ちも汲める、素晴らしい人格に育っているとのこと。

さて、前の学校のSNSを時々見るが、トルコの私学の生徒が主に参加する全国実力テストに、時々一位になった生徒が載っている。これは事前に対策問題を購入して、クラスで対策をすれば、参加者の順位は上がる。

「私のクラスでは対策しないからね、うちの子たちは一位にはならないわよ。保護者懇談会でも言ってあるの、私のクラスは対策しませんから、期待しないでくださいって。子供たちにも言ってあるの、実力で参加しなさいって。でもね、本当は、一位になれる実力の子が、4、5人もいるのよ。小学校最後の、実力テストでは、ちょっとサプライズがあるかもね、ウフフ」

なんせこのクラス、3年生になる頃には、天気の悪い日は、子供たちが家から持ってきた算数の問題を休み時間にボードに書いて、嬉々としてみんなで解いてたからなあ・・・(むろん、先生がいないとき。遊び)

雑感

大学で講座やることになったよ、と実家にメールすると、「大学の非常勤講師?になったんか、すごいね!」と返信が来た。

相手が大学生だから大学の場所を使わせてもらうだけで、講師だとか時間割に入るとかではないのだが、老親が喜んでいるのだから、敢えて訂正するまでもあるまい。

今年度、5歳児から、大学院生、社会人まで500人を超える生徒さんに教えている身としては、相手の年齢による仕事の難しさは、あまり変わらない。

5歳児にどんぐりを教えるのが簡単か、と言えば、そんなことはない。先週も、自分の子が優秀だと思って、しゃかりきになっている親御さんの子供は、どんぐり中に、正解に拘って、ヒスを起こしてお絵描き帳を床にたたきつけた。

生徒さんが新しい考えを受け入れる、試してみる柔軟性を持っているかどうかで、こちらのラクさは変わる。それは、年齢とは関係がない。

授業中に携帯を見ている学生さん。注意するのか、自分の感情を伝えるのか、出て行かせるのか、もしくは自分の授業態度を反省するのか。

子供に対しては、愛情を示し続けることで、たいてい半年後には懐いてくれる。しかし、相手が大人の場合、こちらが指導者として高潔な人格を演技するとか、そういうのは無駄なので、私は数学のセンスもないし、教えるスキルもありませんが、メソッドは伝えますので、せいぜい受け取って頂戴、一緒にいい未来を作りましょうよ、というスタンスだ。

先生に教えるのは、その後どんぐりの授業をやってもらえるのだから、もっと重要か、というと、それもない。子供だって、将来先生になるかもしれないし、親になったときには、どんぐり的子育てをやってくれるかもしれないし、影響力、という観点では、まったくの未知だ。

大収穫

アナドル大学教育学部で、学生さんたち相手にどんぐりを2時間語ってきた。

今後の、10時間ワークの参加希望者、45人。

近日中に、トルコでどんぐり先生が45人誕生する。

別途、各自、どんぐり200問解いてもらうことになっているから、アンカラママは9000問添削するんだけどね。

大半が大学4年生で、あと一月で卒業して、ばらばらに帰郷してしまうので、アンカラママが空いている金曜午後を使って、超スピードでやることになった。しかし、学生さんは国家試験を控えているため、どんぐりの授業だけ受けて、200問は夏休みにやってもらうことになる。

大学の先生が言うには、今日参加した学生さんたちの大半が、村の小学校に赴任することになるらしい。だから、ぜひともどんぐりを学んでほしかったと。

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真剣に宿題体験する 

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「ああ~わたし、絶対この宿題出さない!」

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設備がほとんどない村の小学校で、大奮闘する決意の学生さんたち
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プロフィール

アンカラママ

Author:アンカラママ
トルコ エスキシェヒル在住

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