進化が遅れる子

週に1度のどんぐりで、クラス全員が進化するか、というと、もちろんそんなことはない。

今年度、アンカラママの授業に担任の先生がずっと入ってくださった2年C組。子供たちの進化が顕著。25人中、ほとんどが順調に進化しており、最初は、明らかに言葉とイメージがつながっていなかった8人ほどの子供も、一人、また一人とつながっていき、学年末に近い今、2人の子供が残った。

先生「この子たちはどうしたらいいのかしら。普段の授業でも、理解できないの。どうかして救ってあげたい」

アンカラママ「先生、私の率直な意見ですが、今の状況では無理です。(時間割を指して)みてください。今日も2時間英語の授業があります。(この学校では、小学部で週9時間英語の授業がある)母国語がわかってないのに、英語の授業を理解していると思いますか?」

先生「そういえば、理解できるわけがないわね・・ただ座っているだけだと思うわ・・ 」

アンカラママ「私たち国際結婚している家族でも、子供をバイリンガルにしようとして、両方とも中途半端になってしまい、失敗するケースがあるのです。母国語があやふやな状態で、外国語を入れようとするのは、子供によっては危険です。」

先生「なんてことかしら。みんなが、英語の勉強はいいことって言うから、疑問に思ったこともなかった」

アンカラママ「私がこの2人の親なら、すぐにこの学校を辞めさせて、公立に入れます。まずトルコ語をしっかりさせるまで、外国語から遠ざける必要がありますからね。でも、私たちそのこと保護者に言えないでしょ」

先生「・・・・」

アンカラママ「それでも、家にいる時間の過ごし方によって、ある程度改善できますから、保護者と話し合わなければなりません。それと、英語の宿題は免除してもらうとか、他の先生の理解も必要なんですよ。」

知ってたほうがいい図

http://president.jp/articles/-/22124?page=2

プレジデント オンラインから引用
img_14065f1e99859c570a8a78a2adb785dc31696.jpg

この図が、一般的な認識と改めて確認。知識、技能が基礎とされている。

他人にどんぐりを紹介するときも、空回りしないために、コレ知ってたほうがいい。

ゴンタクラス

1年A組。3年B組。ともに、男性の担任の先生で、学年のゴンタ生徒が集まっているクラス。

トルコでは、担任の先生の力量によって、子供の学力は違ってくる、との考えが根強く、評判の先生がいると、わざわざ越境したり、それが目当てで私学に入ったりする人も少なくない。私学なら、入学手続きのときに、先生を保護者の側から指名できる学校が多い。担任の先生は原則4年間持ち上がり。人気のある先生のクラスから、定員が埋まっていく。

さて、保護者と話しててわかったのだが、自分の子が活発な男子で、家でも手を焼いている場合、男性の先生のほうが良いだろう、との判断で、絶対数が少ない男性の先生のところに、ゴンタ生徒が集まってくる。

ゴンタ生徒は頭も手も足も良く動くから、すこしの隙で、席を離れてなにか始めたり、友達にいたずらしたり、先生の気を引こうと何かやらかしたり、まあいろいろやってくれる。25人中、そういう生徒が二桁に近いクラスで、週に40分の制限時間で、どんぐりをやる。

生徒たちがボスと見なす担任の先生がいないと、もう授業どころではない。
ところが、どんぐり以外の副教科でも、皆同じ状況なので、それぞれが「先生、私の授業にも入ってもらわないと、困りますよ。おたくの生徒たち、しつけがなってなくて、ちっともおとなしくなりゃしないんだから」先生は先生で、「オレだって人間だ。もうやってられん」

アンカラママの狙いは、別にある。

こういうクラスは、おりこうさんクラスより、ある意味面白いのだ。いろんな発想をやってくれるから。
だから、どんぐりで伸びる子がたくさんいる。
それに、こういうクラスでは、大量宿題を出せないので、宿題が女性の先生のクラスに比べて、多少少なくなる。

先生をなだめすかし、クラスの子達を褒め、先生にクラスに入ってくれるように頼む。「他の教科はともかく、私のところにはお願いします」実際、他の副教科で、思考力養成をしているところなんてありゃしない。

とにかく、文章が聞けてなかった。だから、描けなかった。それを、毎回根気よく、地道に指導するしかない。

ちょび髭の、学年主任も、ときどき支援に入っては、「子供と言うのは、こんなに聞いてないものなのだ。」これは何度言い聞かせても解決するものではない、結局こうするのが早道なのだ、と理解してくれた。

学年末に近づいた今、その成果がどんどん出ている。

最初の数ヶ月は、殴り描きばかりしていた低学年男子たちが、なんと丁寧に描いていることか。

皆が、「答えがわかった」でなく、「答えを見つけた!」と叫ぶ。

これが1年の差

5年選択どんぐり。学年末まであと3週間。人数は減って、1桁になっている。

今日、どんぐりっ子が、友達を一人連れてきた。普段は運動系の選択授業に行っているのだが、怪我で参加できないので、体験に来たのだ。

アンカラママは、1mxが10問印刷されてある紙を渡す。「どれかひとつ選んでやってみてね」

体験の子が選んだのは、くじらのプランクトン問題。

ところが、倍の絵図が描けなくて、固まっている。

どんぐりっ子が様子を見に来て、友達が簡単な問題がわからないのに驚いて、「ほら、こうやって普通に描けば、、」つい図を書き込んで教えてしまう。

体験の子は、どんぐりっ子たちのお絵描き帳を見て、圧倒されている。

3MX50、赤蛇くんと青蛇くん問題。いったいいくつ計算が連ねてあるのか。大人が書いたみたいな、複雑な図。なにこれ・・

横に座っている子のお絵描き帳。4mx66、ウルトラ時計問題。後ろの席、サブちゃんのサブレ問題。

5年選択どんぐりの作品は、ボードに貼られないので、他の生徒たちは何をやっているのか知らないのだった。

どんぐりっ子は、それまで特に意識していなかったのが、1年の間に、友達との間に、埋めがたい差ができているのを理解する。

お絵描き帳の最初のページを見せて、「ほら、私も最初はこんな簡単な問題から始めたのよ。」0mx問題、不器用な絵図。今から見たら、笑ってしまうほど簡単な問題を、ウンウン言って取り組んでいたのだった。でも、友達は、その簡単な問題が、できないのだ。1年前の自分と同じなのだ。

「これなんかあなたも知ってたら役に立つと思うな。」単位換算表を見せたりするが、お友達は言葉もない。
この子は最初は、単位換算が苦手で、cmとmmの換算も間違うような子だった。




授業のやり方に文句を言う1年生

用事があって、1年生の教室に入ると、子供たちがぶつぶつ文句を言いながら塗り絵をしていた。

「もう、やだよ!ぬってばかり、もうあきたよ!ぬりたくない!」
「やりたくない!(ページを最後まで繰って)まだこんなにあるよ・・・」

学年末が近づくと、大量に買わせたワークブックを消化させるために、先生がハイスピードで作業させる。

英語の1年生のワークブックは、非英語圏用に作られているので、単語と塗り絵ばかり。

線の太い、単純な、抽象的な絵柄で、塗っても大して美しくもならず、塗り甲斐がない。

どんぐりの授業では、別に指示しなくても色を塗る。自分の絵だから塗り絵と思っていないのだろう。

夜、子供にその話をすると、

「その年で、そんなことを考えるなんてすごいな。オレも、幼稚園のときとか、塗り絵ばっかりさせられてたけど、そのことを疑問に思ってなかったもんな。幼稚園はそういうところだと思ってたから」

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プロフィール

アンカラママ

Author:アンカラママ
トルコ エスキシェヒル在住

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